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自閉症児、学校で大けが

2004年11月に東京の小金井第二小学校でおきた事件について、
発達障害者支援法の施行直前に毎日新聞が、
「閉ざされた扉:自閉症児負傷事故から」と題して3回シリーズの記事にした。

上 たいいくかん、いたい
中 子供の命より「立場」
下 理解は「国の責務」

日本自閉症協会東京都支部が抗議書を送ったのも当然の、ひどい話だ。
これは事故ではなく、事件というべきである。

「週刊金曜日」2005年2月18日号に、この事件について
「特殊学級児童の声なき叫びを受け止めて-孤立する子ども、教諭、親……-」
と題する記事が載った(P.40~41、ノンフィクション・ライター島沢優子氏執筆)。

この中で、報道後の世間の反応に「担任教諭の個人的な資質を問う意見が目立つ」が
「担任の資質の問題として片付けてしまってよいのだろうか。事故の背景に
目を向けると、多くの特殊学級が抱える問題が浮かび上がる。」との指摘があり、
記事全体はその視点から書かれている。

が、特殊学級が抱える問題はたしかにたくさんあるけれど、今回のケース、
問題はもっと上っ面なレベルにあるのではないだろうか。
校長がまともなセンスの持ち主だったなら、という、
単なる校長の資質の問題“にすぎない”部分が相当あるのでは?

統合教育のもとでならこのような事件はおこらなかった、
と「週刊金曜日」の記事の筆者がはっきり言っているわけではないが、
事件の背景にあるのは、統合教育か分離教育か、といった問題ではないだろう。
管理職や教育委員会がきちんと責任をとらないことが、ひどい話なのだ。

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ワインバーグ症候群についての日本語の情報

不注意優勢型のADHDとの関係でいろいろ知りたいワインバーグ症候群
(原発性覚醒障害)だが、これも日本語の情報がほとんどない。

『ドクターサカキハラのADHDの医学』
 榊原洋一 著 学習研究社 2003年 本体1700円

が、唯一の情報源?

言いだしたワインバーグの論文は、これらしい。

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DAMP症候群についての日本語の情報

DSMの診断基準を当てはめられてもいまひとつ腑に落ちないとき、
DAMP症候群を知って、これだ! と感じる当事者や親は多いだろう。
だが、あちこち探しても情報がなかなか見つからない。

学研の「障害児医療から カルテに書かないこと」の中の
DAMP症候群から軽度発達障害を見直す」がほとんど唯一の資料か。

◆DAMP症候群に触れた本は--

『ADHDの明日に向かって -認めあい・支えあい・赦しあうネットワークをめざして-』
 田中康雄 著 星和書店 2001年 本体1900円
 臨床家としてDAMP症候群にちゃんと着目している。

『アスペルガー症候群がわかる本 -理解と対応のためのガイドブック-』
 C・ギルバーグ 著/田中康雄 監修/森田由美 訳 明石書店 2003年 本体1800円
 本家本元が書いた本だから、言及は多い。

これは要参照。

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DBDマーチのトートロジー

『AD/HD, LD, 高機能自閉症 軽度発達障害の臨床 -レッテル貼りで終わらせない、
よき成長のための診療・子育てからはじめる支援-』
横山浩之 著 診断と治療社 A5判 2005年 本体4600円

という長いタイトルの本は、著者の序文によれば専門書ではなく、
いわゆる軽度発達障害を診ていけるようになりたいと考えている
学生や小児科研修医を対象にした入門書、とのこと。
ならば、医学志望者でなくてもわかる内容だろう。
今や Barkley のあの厚ぼったい ADHD の Handbook を原書で読んでしまう親も
いる時代、骨のある解説書がほしいと思っている親や教師の要求に
こたえられる本だろうか。

1点だけコメントすれば--
この本に、「DBDマーチに対して、何ができるか」という1節がある。
親たちにとって何のご利益もないどころか迷惑このうえないDBDマーチの概念が
「臨床上有用である」と著者は認めているのだが、どこがどう有用なのだろう。

DBDとは、DSMでADHDの上位カテゴリーである「注意欠陥および破壊的行動障害」の
破壊的行動障害 Disruptive Behavior Disorders のことであり、
このカテゴリーにADHDと反抗挑戦性障害(ODD)と行為障害(CD)が含まれている。
ADHDを起点として、加齢とともにODD → CDとDBD内の診断名が移り変わっていって、
最後に反社会性人格障害にいたる、そういう一群の子どもたちがいて、
この変遷をDBDマーチと呼んでおきたい、と言った医者がいる
(齊藤万比古,原田謙:反抗挑戦性障害.精神科治療学,14; 153-159, 1999.)。

DBDマーチを言った人たちはODD段階での治療の重要性を強調したかったようだが、
この印象的なネーミングはひとり歩きを始めたようで、
セミナーや講演会の講師をつとめたり本を書くような人たちが、
あちらこちらでこのことばを使うようになった。
それもしばしば、どんな治療教育をおこなっても自動的にこのマーチは進行する、
というニュアンスで。
これが、ADHDは行為障害や非行、ひいては犯罪に移行する障害、
という誤解と偏見を世間に広めるのに一役買ったのではないか。

2000年6月15日配信の「毎日教育メール」第74号に
「荒れる子供たちの『注意欠陥障害』に社会的認識と対応を」と題して、
自閉症の子を持つという医師の投書が載り、
それに対してADHDの子どもを持つ親たちから反論が寄せられる、
という、ちょっとした“騒動”があった。

この医師の投書にADHDの子どもを持つ親がとくに反発したのは、次の2点。

・ADHDの子どもの中には「どう対応しても」行為障害に移行する者がいる。
・「子供の犯罪のほとんどは注意欠陥障害が引き起こしてい」るにもかかわらず
 それが社会で話題にならないのは、親の会がマスコミに圧力をかけているからだ。

どちらも事実ではない(検証しようがない)けれど、
初めのほうの記載が、DBDマーチと関係している。
投書の主の医師がDBDマーチを直接念頭に置いて書いたのかどうかはわからないが、
その書きぶりはDBDマーチ(の曲解)そのものだ。

DBDマーチはアレルギーマーチの概念にならって命名した、とのことだが、
このアナロジーが科学的だとはとても思えない。
発達障害は、専門家にとっては言わば“稼業”だから、
気の利いたネーミングの1つや2つ創出しないことには商売がやりにくいのだろうが、
DBDマーチは説明として不十分なうえに、
教師や医師といった人たちに中途半端に多用されることになったマイナスが大きい。
思いつきでモノを言わないでもらいたいものだ。

そもそも、(アメリカでの)子どもたちの社会的に困った行動を
その度合いに応じていくつかの診断名を作って分類し、ひとくくりにしたのが
「注意欠陥および破壊的行動障害」なのだから、
DBDマーチなんてトートロジーもいいところである。

実際、冒頭に紹介した本では、著者自身がDBDとDBDマーチを混同していることが、
63ページの図23から見てとれる。

早期発見と早期対応が大切なのは、何もADHDにかぎらず、
すべての発達障害の臨床に言えることではないのか。

この本の著者は、BarkleyはDSMの診断基準を作ったメンバーのトップだとか、
ADHDを判断するには知能検査しかない、などとむちゃくちゃなことを言っている
(「学校運営研究」2002年12月号 明治図書出版)学校の先生たちの集まり(TOSS)と
つながりの深い人のようだが、だいじょうぶ?

◆教育の現場で使われる「DBDマーチ」

たとえば、岩手県立総合教育センター特別支援教育室が作った
「平成16年度特殊学級担当教員研修講座I講義・演習 軽度発達障害児の理解と指導」
には、もっと拡大されたかたちでDBDマーチが紹介されている(p.9-10)。

◆専門家が専門家向けにも使う「DBDマーチ」

たとえばADHD の合併症の記述で、
「反抗挑戦性障害や行為障害といった"DBDマーチ"を示す破壊的行動障害群」と記載
(田中康雄:注意欠陥/多動性障害の現状と支援.精神保健研究,17; 25-36, 2004.)。

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